適職診断や自己分析を進めても、向いている仕事が分からないまま。そんなときは、診断の数やメモの量を増やす前に、どこで答えが出なくなったのかを分けてみてください。
診断結果をどう読めばよいか分からないのか、自分の経験をうまく書けないのか、気になる仕事の実務が分からないのか。困っている場所が違えば、戻るところも違います。止まったことだけで「自分には強みがない」「どの仕事にも向かない」とは決まりません。
診断結果が違うときは、まず何を調べる検査かを見る
ある診断では企画、別の診断では事務が出る。結果が違うと、自分のことを何も分かっていないように感じるかもしれません。ただ、異なる診断が同じものを測っているとは限りません。興味を尋ねるものか、仕事で大切にしたいことを尋ねるものか、能力に関する課題なのかを、利用案内で確かめます。
厚生労働省のjob tagの利用方法では、検査結果から得られる職業の一覧は、その職業に就くことを求めるものではなく、職業探索のヒントとして案内されています。検査だけでは表現しきれない面があり、適合を保証しない点にも注意が必要です。
同じ検査を繰り返せば、正解に近づくとは限らない
job tagの職業適性テストについては、受検時の体調や集中、利用機器などの影響、短期間の反復で慣れなどが得点に影響する可能性も説明されています。これは同テストの案内であり、すべての診断へ同じ説明を当てはめるものではありません。
結果が違った原因を、自分の性格や気分だけで決めつけないようにします。職種名を見比べ続ける代わりに、結果の説明の中から気になった作業を一つ選び、「その作業をした経験はあるか」「実際には何をする仕事か」を調べられます。
診断結果に納得できるまで再受検することを、次へ進む条件にしなくてよいのです。
経験が書けないときは、「強み」ではなく一日の作業を拾う
「あなたの強みは何ですか」と聞かれて止まるなら、答えの形を変えてみてください。「昨日、何を受け取って、何を確かめて、誰へ渡したか」なら、評価の言葉を作らずに書けるかもしれません。
次は、なつめの仕事を使った架空の書き直し例です。
| 止まっていた書き方 | 作業へ戻したメモ |
|---|---|
| 特別な実績がない | 営業担当者から月次の数字を受け取り、合計と内訳を照合した |
| 調整力があるか分からない | 数字が合わない箇所を担当者へ尋ね、修正する内容を確認した |
| 何が得意か言えない | 確認した内容を、会議で見る一覧へまとめた |
これだけで強みや適職が確定するわけではありません。それでも、どの工程を続けたいか、どこに負担があったかを考える材料になります。詳しい記入例は、一人で経験を整理する場面で確認できます。
褒められた経験だけを探さなくてもよい
感謝された場面があれば手がかりになりますが、思い出せなくても構いません。毎日行っていた作業、手間をかけて確認していたこと、他の人へ引き継いだことも、経験として残せます。
一方、思い出せない成果や改善率を足して、強みに見せる必要はありません。数字が未確認なら「確認が必要」と残し、自分がした工程まで書けば十分です。
候補の仕事が怖いときは、まだ知らない実務を分ける
未経験の仕事を見て「自分にはできない」と感じても、すぐに短い課題を試して適性を判定する必要はありません。まず、何ができないと思ったのかを具体的にします。
- 道具の名前を知らないのか
- 業務の進め方を見たことがないのか
- 必須経験を満たしていないのか
- 勤務時間や費用など、生活上の条件が合わないのか
たとえば「分析の仕事は難しそう」なら、日常的に行う作業や使う道具を調べるところからです。必須経験が明示されている場合は、その求人の条件を確かめます。「知らない」と「応募条件を満たしていない」と「続けたくない」は、それぞれ違う状態です。
業務紹介を読んだり、仕事を知る人へ質問したりしても、まだ分からないことは残ります。その時点で応募や講座契約を急がなくて構いません。
小さく試した結果は、その条件での手がかりにする
試せる作業があり、無理なく取り組めるなら、その範囲で経験してみる方法もあります。ただし、短時間の練習がうまくいかなかったことだけで、仕事全体に向かないとは決められません。説明の量、道具への慣れ、課題の難しさなども違うためです。
「今回の課題では何が分からなかったか」「どの作業ならもう少し知りたいか」を残します。実務の一部を試した結果を、職業全体への適性や将来の成果へ広げすぎないことが大切です。
次に戻る場所を、一つだけ選ぶ
立て直しのために、診断・職歴整理・求人調査をすべて再開する必要はありません。いま足りない材料に合わせて選べます。
| いま困っていること | 次にすること |
|---|---|
| 診断で出た職種の意味が分からない | その仕事の日常業務を一つ調べる |
| 経験の欄が空白になる | 最近の一日から、行った作業を一つ拾う |
| 候補を比べると全部不安になる | 不明な条件と、確認して合わないと分かった条件を分ける |
| 一人で整理するほど混乱する | 困っているところから相談できる相手を選ぶ |
仕事の方向を並べ直すなら、経験を使う三方向の比較へ。相談したい場合は、経験整理を手伝ってもらう相談先へ進めます。質問が完成していなくても、途中のメモを使えます。
今日は考える余力がなければ、ここで止めておけます。再開するかどうかも含めて選ぶための案内です。次に開くときに「求人の仕事内容を一つ読む」など、小さな用事が残っていれば十分です。
